ビジネス英語について考える

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BELFという新しい考え方

ビジネス英語も時代の流れがあり、最近話題になっているのがBELFという考え方です。
これはBusiness English as Lingua Francaの略で、英語をもっとシンプルにし、ネイティブスピーカーの方もそれに合わせたシンプルな英語を用いるべきという考え方です。

どうしてこのような考え方が出てきたのかというと、英語を公用語としているネイティブスピーカーの方と日本人を含め英語を公用語としていない非ネイティブスピーカーの方がビジネスの場で交渉ごとなどで英語を使う際はどうしてもネイティブスピーカーの方の方が有利な立場に立ちやすいです。
使っている言語に慣れているため、交渉の際も敢えて複雑な言い回しを使う事で非ネイティブスピーカーの方の出方を見るという事もあり、こうした状況ではビジネスも上手くいかないという指摘がされ始めているのです。
BELFの考え方は非ネイティブスピーカーの方から出た考えではなく、アメリカのイーストミシガン大学のデイビッド・ビクター教授という方が、BELFの考え方をビジネスに積極的に取り入れるべきだとコメントをしています。

英語という言語が変化しつつある

英語はアメリカ圏だけで使われるだけでなく、近年は全世界で共通する、世界の共通言語になりつつあります。
BELFのLingua Francaという言葉は、カタカナで表すとリンガフランカと読みますが、フランク王国の言葉という意味です。
フランク王国はドイツ語やフランス語、ラテン語など、様々な言語が混ざり合い、リンガフランカという独自の言語を生み出しました。
英語もこれと同じで、世界共通の言語が必要になる時代が到来していると言えます。
リンガフランカと同様に、誰もが使いやすく聞き取りやすい言語に進化する必要があるのです。

日本でも徐々に動きが

こうしたBELFの考えは日本でもすでに徐々に動きが見られており、BELFについてディスカッションがされています。
特に日本の英語教育では高度な言い回しなどが重要とされる傾向にありますが、BELFの英語をよりシンプルにするという考えには反するものと言えます。
こうした事も今後は変化していく可能性もあり、英語学習も大きな変革期が来るかもしれません。
そして、日本でもより多くの方に英語の習得が身近なものになる可能性もあります。
そうなればまた、日本のビジネスシーンも大きく変化していく可能性を秘めています。

もちろんBELFの考えが浸透するにはまだしばらく時間はかかります。
それまでは今の英語の学習体系の中で学ぶのがスムーズなので、こうした事もあると知った上で、まずはできる事から英語の学習を始めていきましょう。